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No.186 好き嫌いと良い悪い
2023年02月18日
人には、好き嫌いがあります。合う合わないがあります。
そしてこれは良い悪いではありません。
犬が好きな人もいれば、猫が好きな人もいます。
犬好きが間違っているわけでもなければ、猫好きが正しいわけでもありません。
人間の嗜好は嗜好それ自体が批難されるものではなく、自分の嗜好によって相手に危害や被害を与えることがいけない事だと思います。
先日、ある秘書官が好き嫌いの発言で職を解かれましたが、この判断には賛否が分かれるのではないでしょうか。ましてやオフレコ前提での発言だったとのこと。一部の報道では “オフレコでの発言だったが、看過しがたい発言だったので公にした” とありましたが、そうでしょうか。その場にいたわけではありませんから、この件に関して流れてくる情報がどこまで真実なのか、どれほど恣意的なのかは知り得ませんが、「好き嫌い」と「良い悪い」は全く別物です。
また、報道というのは、報道する人のバイアスがかなりかかっていると感じることもあります。それまでの流れがあって発言した言葉を、そこだけ切り取られて聞くと反感を持つことがありますが、全体を通して聞くと納得できる、なんて言うことも珍しくありません。
好き嫌いは個人的なこと。
良い悪いは普遍的なこと。
「犬が嫌い」というのは個人的なことなので問題はないけれど、「犬は嫌いだからいじめても構わない」となると問題ですよね。
ところで本音を言うことはいけないことでしょうか。
子どもを好きでない人が「こどもは嫌いだね。うるさいし、自分勝手だし」と言ったらいけないのでしょうか、以ての外でしょうか。「子どもは無邪気で、居るだけでその場の雰囲気が明るくなるし、かわいいよね」と心にもないことを言わないといけないのでしょうか。
例えば、子どもが好きでない保育士はいます。勿論、子どもが好きで保育の仕事を選んだ人もたくさんいると思いますが、子どもが好きでなければ保育士になってはいけないことはないでしょう。それに好き嫌いといっても、その程度は人それぞれです。保育士としての仕事をきちんとしてくれれば、子どもが好きでもそうでなくても、それはそれでいいのではないでしょうか。言葉では「子どもが大好きで」と良いながら、親が見ていない時にひどい対応をしている方が余程問題でしょう。
医師でもそうですよね。病気をきちんと治してくれれば、その医師の性格が悪かろうと(良い方がいいですが・笑)、どんな趣味を持っていようとそれは二の次。仕事を仕事としてきちんとしてくれれば、その人の好みは “あずかり知らぬ事” ではだめでしょうか。
また今回、録音や録画をせず、実名で報じないというオフレコ(off the record)を前提に行われた会見が報道されたという点にも疑問を持ちます。先に述べたように、それが正しい、正しくないという話であればわからなくもありませんが、好き嫌いという感情発言を、約束を違えて公表するのはいかがなものでしょうか。
今回のことが今後マイナスの影響をもたらさなければいいのですが。いろんなことに於いて、建前だけが表に出てくることになりはしないかと心配しているのですが、いかがでしょうか。
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